ジオセル(Geocell / 土工格室)は、高密度ポリエチレン(HDPE)や新規高分子合金(NPA)などの高強度帯状ストリップを超音波溶着で千鳥状に接合した、ハニカム(蜂の巣)状の3次元立体補強材です。
現場でアコーディオンのように引き広げてアンカー固定し、内部に土砂、砕石、コンクリートなどを充填することで、中詰め材の「側方流動(横ズレ)」を強固に拘束(3次元コンファインド効果)します。
| 項目 | 代表的な規格・値 |
| 材質 | 高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子合金(NPA) |
| セル高さ(深さ) | 50mm / 75mm / 100mm / 150mm / 200mm / 250mm |
| 溶着ピッチ(展開前接合間隔) | 330mm / 356mm / 445mm / 660mm / 712mm |
| 展開時セル寸法 | 例: 200×200mm(小セル)、400×400mm(大セル) |
| ストリップ厚さ | 1.1mm 〜 1.5mm(平滑時 / エンボス時 1.5〜1.8mm) |
| シーム溶着引張強度 | ≥ 1000 N / 100mm 〜 ≥ 1420 N / 100mm(ASTM D2837準拠) |
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072-242-3708
切土・盛土法面の浸食防止: 雨水による表層崩壊・ガリー洗掘を防止。
法面緑化(植生工併用): 土壌流出を防ぎながら、セル内に客土を保持して急傾斜(1:1〜1:0.8等)でも安定した植物育成環境を維持。
軟弱地盤上の道路・作業構台: 砂や現地発生土を中詰めしても十分な支持力を発揮。高価な砕石の購入量や路盤厚を約50%低減。
鉄道道床補強: バラストの側方飛散・沈下を抑え、軌道狂いを抑制。
セルを階段状に多段に積み重ね、内部に土砂や砕石を充填して自立型の重力式擁壁を構築。
前面セルを緑化土にすることで、コンクリート擁壁にはない全面緑化景観を実現。
セル内に割栗石やコンクリートを充填し、高速水流による河床・法面の洗掘を防止。
| 比較項目 | ジオグリッド(一軸 / 二軸) | ジオセル(Geocell) |
| 補強次元 | 2次元(平面)引張補強 | 3次元(立体)拘束・コンファインド補強 |
| 主な抵抗機構 | 網目のインターロッキング + 引張力 | セル壁による側方拘束 + 半剛性スラブ効果 |
| 中詰め材の自由度 | 粒調砕石・粗粒土が望ましい | 砂・細粒土・現地発生土でも高支持力を発揮 |
| 得意な工種 | 高盛土の補強土壁、道路路盤の平坦補強 | 急傾斜法面の表層保護・緑化、軟弱地盤の薄層支持力向上、多段擁壁 |
現場条件:
山岳道路、太陽光発電所造成斜面、ダム周辺の切土法面(勾配 1:0.8 〜 1:1.5 程度)。
工法構成:
下地に不織布(透水・吸出し防止)を敷設 ➔ ジオセル(セル高 75mm〜100mm)を展開 ➔ 専用アンカーピンおよびテンドン(高強度ロープ)で斜面天端・法面に緊結 ➔ セル内に現地発生土または植生基材土を充填 ➔ 植生種子吹き付け。
設計照査のポイント:
法面平行すべりの安定計算:
セルと中詰め土の総重量によるすべり力に対し、法面とセル底面の摩擦抵抗力およびアンカーピンの許容引抜抵抗力・テンドンの引張耐力の合計が安全率を満たすようピン配置ピッチ(千鳥配置)を決定。
水みち(雨水洗掘)防止:
パーフォレーション(側壁のパンチ穴)によりセル間を雨水が横方向に分散排水され、局所的なガリー侵食(雨水による溝堀れ)を防止。
現場条件:
水田地帯の道路拡幅、風力・太陽光発電所の大型クレーン進入路、軟弱シルト地盤の仮設ヤード(CBR値 1〜3%以下)。
工法構成:
路床上にジオテキスタイルシートを敷設 ➔ ジオセル(セル高 150mm〜200mm)を展開 ➔ 内部に破砕石(C-40等)または現地砂を充填・転圧。
設計照査のポイント:
支持力増大係数(等価CBR値の評価):
3次元側方拘束(コンファインド効果)により、セル充填層の見かけの粘着力(c)とせん断抵抗角が向上。日本道路協会の舗装設計便覧等の手法に準じ、路床・下層路盤の改良厚(置換厚)を約40〜50%薄層化して設計。
不同沈下・わだち掘れの抑制:
セル層が「半剛性マット(梁)」として機能し、重機輪荷重の鉛直応力を広範囲に分散。
現場条件:
急傾斜地崩壊危険区域の山裾、道路拡幅時の用地境界部(敷地境界に余裕がなく垂直近くまで立たせたい現場)。
工法構成:
ジオセル(セル高 150mm〜200mm)を階段状にステップバック(後退角 1:0.2〜1:0.3 程度)させながら多段に積層。背面セルには現地土砂や砕石、最前面セルには植生土を充填。
設計照査のポイント:
外部安定照査:
擁壁全体の自重による「底面の滑動」「転倒」「基礎地盤の支持力」を、重力式擁壁の示道便覧基準に準じて照査(安全率 ≥ 1.5)。
内部安定照査:
セル多段層間の摩擦・せん断抵抗力および積層段のずれ破壊照査。必要に応じて高強度一軸延伸ジオグリッドを背面盛土部へアンカーとして敷設する複合補強土構造を採用。